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美容師おすすめのドライヤー的なやつ


ドライヤー

よくお客様から聞かれます。

「どんなドライヤー使ったらいいんですか?」

ちなみに僕が仕事で使ってるドライヤーは

50年以上前から美容室用ドライヤーを作り続けてるメーカー「Nobby」のドライヤーです。

こいつがまた丈夫でしてね。

今までトータルで2000時間以上は使用してるんですけど全然現役です。

こんなに壊れないと次が売れないだろう・・・

しかし昨今のドライヤー業界はなかなかカオスな状態です。

今色々な種類のドライヤーが発売されていますねー。

その中で僕がプロの目線で色んな意味で気になったドライヤーがいくつかあるので紹介したいと思います。

 

Dyson Superdonic ヘアードライヤー

なんだこれはかっこよすぎる・・・

実用性と耐久性も良さそうだし何より見た目のインパクトが強すぎますね。

お値段48,600円!

おい高すぎるだろうさすがダイソン高すぎる。

風量は驚きの2.4㎥/分、重量700g

さらに1783回以上の落下、ケーブルを31万回以上ねじり

ボタンを52000回以上押して、110kgの体重の人が上に乗るテストをクリアしたそうです。

CASIOの腕時計かな?

 

LUMIELINA レプロナイザー

よく推奨してたり使ってる美容室を見かけます。

独自のバイオプログラミング技術で云々・・・

バイオプログラミングとは

特定の振動と波長の組み合わせで「エネルギーと情報の”場”」をプログラミングする最先端の独自技術バイオプログラミングを施した特殊セラミックスを搭載

と書いています。

なるほど、わからん。

風を当てるだけで肌のリフトアップ効果もあるらしいです。

お値段も38000円とかそんな感じでした。

 

LOUVREDO 復元ドライヤー

公式のHPが「まだドライヤー振ってるの?」というキャッチフレーズと共に

なぜかゴリラの顔写真がアップで掲載されている衝撃的なトップページです。

吹き出し口の温度を抑えてる為ドライヤーを離して振らなくていいみたいです。

そして「育成光線」の効果により痛んだ髪を復元したり

温熱効果により頭皮や髪がなんたらかんたら

お値段は15700円と割と手の届きやすいお値段。

 

ネットとかで「美容師オススメの」とか「プロが選ぶ」とかで他にも色々あったんですが

まあインパクトあるやつをとりあえず3つ紹介してみました。

ここからは僕のツッコミの時間ですね。

とりあえずダイソンに言いたい事は「おい高すぎるだろう」って事くらいなので

残り2つについて色々と気になる点を書いていきます。

 

バイオプログラミングって何?

怪しい造語が出てきましたね。バイオプログラムというのは生命体である人間が言語を作りだす事だった気がしますがまあそれは置いておきましょう。

僕は基本的に曖昧で物理的に証明されてないものは信用しないんですけど

「エネルギーと情報の”場”をプログラミングする」って何なんでしょう?

この辺は景品表示法的にどうなんでしょう。

法律家じゃないのでアウトなのかセーフなのかはわかりません。

とりあえず特許もないし、科学的によくわからない技術は10年くらい寝かせてみるといいというのが僕の持論です。10年後に本物なら大発明としてスタンダードになってるし、偽物ならあーそんなのあったねえってなりますからね。既に水素水がそうなってますし。

遠赤外線の効果について

遠赤外線と言えばなんか体にいいような気がする風潮なんですけど

そんな万能ではない遠赤外線です。

そもそも遠赤外線とは何か?

波長が4〜1000μmの電磁波です。

常温の全ての物体からは赤外線が出ています。

赤外線カメラの画像、映像ってありますよね?あれって写してる物体が放射している赤外線を捉えた画像、映像なのでまあそういう事です。

「遠赤外線は体の内部まで浸透し内側から温める」とか聞いた事ないですか?

遠赤外線の水に対する吸光度は結構高いので、生体組織(特に水分を多く含んだ組織)に対しては浅い部分でその多くが吸収されますので浸透はしないです。

つまりドライヤーの遠赤外線の機能は

髪に対して毛髪表面の温度を上げ乾きを早くする。

頭皮、肌に対して皮膚表面の温度を上げた結果、血行が良くなる。

程度の物と僕は考えています。

親切程度の機能と考えていいと思います。

育成光線って何?

なんだか良さそうなそして怪しそうな響きですね。

1981年にNASAの研究結果として

「太陽光線の中で 8~14μmの波長の遠赤外線は人体にもっとも深達力があると」

の発表があったそうでこの8〜14μmの遠赤外線を育成光線と呼ぶようになったようです。NASAとか聞くとそれだけで効きそうですよね。

でもこれって「宇宙船内における人間の生存条件」の研究結果であって

人間や生命体が生存していくというスケールのでかい話でして

つまり今生活してる環境で当たり前にある遠赤外線ですよね。

しかも1981年っておい。

もう37年も経ってるのんだから物凄く色々と効果あるなら

とっくに研究されてノーベル賞受賞してないとおかしくないですか?

なんか育成光線を出す電球とかも普通にあるらしいんで

どうせなら浴びるならドライヤーじゃなくて家の照明を変えて浴びた方がいい気がします。

髪の毛の修復について

「修復」という言葉の受け取り方ですが

痛んでない元の状態に戻すという意味なら修復は今の科学では不可能です。

手触りや艶を元の髪のように近づける(一時的に)という意味では可能です。

後者はダメージ具合によります。

髪の細胞を活性化とかいうフレーズを目にしたりしますが

そもそも髪の毛は細胞ではないです。(細胞の定義的に)

元は細胞だったかもしれませんが

現在みんなの頭に生えてるのは主成分をケラチン(タンパク質)とした物質です。

そして物質である以上再生も元どおりに修復する事もできないです。

物体の時間を操れたら可能かもしれません。

美容室で施術されるトリートメントでさえ大体が

毛髪の成分と同じ又は似た様なタンパク質等を髪の中に詰め込み

それを化学反応を用いて結合させてコーティングするといったものになります。

「復元」とか「再生」とかこういう言葉は売り文句かもしれませんが

僕達プロの美容師は絶対口にしない、してはいけない言葉ですね。

で、どういうドライヤーがいいの?

という前にまず乾かし方の話です。

これを徹底すれば良くわからない高額なドライヤーを買わなくても

かなり仕上がりが違います。

①まずはしっかりとタオルで水分を拭き取ります。

 特にロングの人はタオルおかわりする勢いでしっかりタオルドライをした方がいいです。

(できればタオルドライ後にアウトバストリートメント等を付けるとより良いです)

②ドライヤー温風で根元、頭皮の方から乾かしていきます。

この時に出来るだけ仕上がりの髪型のイメージに沿って手ぐしを通しながら乾かします。

(例えばボリュームの欲しい箇所は根元部分を立ち上げる様に等)

③全体的なヘアスタイルに沿って手ぐしで指で髪を挟みながら毛先まで乾かします。

(細かいハンドブローの仕方は行きつけの美容室で聞けば教えてくれます。)

④9割以上乾いたら仕上げに冷風で手ぐしで乾かして終わりです。

(この9割がちょっと難しいんですが冷風に切り替えてみると

 手ぐしで明らかに濡れてるなって箇所が感じられると思うので

 温風冷風を切り替えながら試していくといいと思います。要練習です。)

※注意点 大体のドライヤーは吹き出し口はかなりの高音です。髪に近づけすぎると熱によるダメージに繋がるので15cmくらいは髪から離して乾かしましょう。できれば一箇所に風を当てすぎない様にしましょう。

ということでドライヤーを選ぶ際に見るべきポイント

折りたたみは収納に便利ですがおすすめはしません。

大体ここが壊れます。

風量。基準としては1.3㎥/分以上あるのが理想と思います。

風量が小さいと単純に乾くのに時間がかかります。

そして重さ。プロユースのドライヤーは大体700g〜800g前後の物が多いです。

自分で乾かす場合は頭の上までドライヤーを持ち上げて

さらに髪から離して動かしながら使うためできるだけ軽い物の方がいいです。

これは結構重要なところで、髪の毛乾かすのにロングの人だと時間かかりますよね?

途中で疲れて心が折れて「まあこれくらいでいっか」で終わる人、手あげてください。

そういう意味では吹き出し口の熱を抑えた設計のドライヤーは髪の毛との距離をとらなくて良いので選ぶ基準としてはいいかもしれません。

美顔器的な、リフトアップ的な機能については正直温熱効果や、冷風で冷やしたりと温度的な作用なんじゃないかなと思います。それならちょっといいスキンケア用品にお金使った方がいいと思います。どっちにしろ一時的なものですし。

とまあぶっちゃけ選ぶポイントってこれくらいで、後は値段だったり、マイナスイオンに関しては科学的に微妙なとこもあるし今大体のものがマイナスイオンなので気にしなくていいと思います。

「きちんとした乾かし方がめんどくさいからなんかいいドライヤー無い?」って人もいるかもしれませんが、結局いいドライヤー使っても適当に乾かしてたら仕上がりが劇的に良くなることはありません。

 

ドライヤー業界も色々と付加価値を付けないと差別化が難しいんでしょうね。

一つ気になったのがメーカーと直接契約した販売店から正規品として購入しないとメーカー保証が受けれないという仕組みで販売している物もあり、僕はここにちょっと疑問を感じます。商品の価格や価値をネット販売等から守る為かもしれませんが、定価で直販した方が利益率も高いし価値も守れるのになんでだろうと、どうも僕は疑ぐり深い人間なのでちょっとその辺に胡散臭さを感じてしまってどうもダメです。

ドライヤーとして結果的に仕上がりが良かったりとモノとしてはいいモノもあるでしょう。

しかし、ちょっとでも理論的に、物理的に、科学的に疑うポイントがある。

そういう事を売り文句をしているドライヤーを僕はプロとしては簡単におすすめできません。きっちり学術的に認められてるんならお勧めします。

とりあえず高い金出して高いドライヤー買う前に

一度だけ上記の乾かし方を実践してみるといいと思います。

ただダイソンのドライヤーだけはちょっと憧れます。

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