今日は僕の中での美容師業界3大ミステリーの一つ、ジャケット問題についてです。
僕がアシスタントだった頃、ジャケットを着てスタイリッシュなファッションで仕事をするスタイリストの先輩や、専門誌面を飾るスタイリスト達を見て、「かっこいい!」「いつかはああなりたい!」と思って頑張っていました。実際シュッとしててかっこいいですよね。
そしていざ、自分がそういう格好で仕事ができるようになり、颯爽とジャケットを着る。
鏡の前でエアーカットをしてみる。
だけど・・・何でしょう・・・
見栄えは確かにいい、しかし、いかんせんこれは、動きづらい。
そして肩が凝る。腕まくりするとなおさら動きづらい。
今まで見てきたあいつらはこんな過酷な状況で仕事してたのか?巨人の星かよ!
って感じで涙を拭いてTシャツに着替えました。
一晩考えました。
そうか、若干オーバーサイズのジャケットでゆとりあるジャケットならいけるかも!
そう思っていた時期が僕にもありました。大きめのジャケットを着て鏡の前に立ちます。
何という事でしょう。そこではおっさんの七五三が行われていました。
ここで一般の方に説明すると、僕達美容師のカットとかって結構体勢を気にしたりして、一定の角度で髪を切るには姿勢とか肘の角度とかって重要だったりするんですよね。そして長袖のままカットしてると毛が袖についてチクチクしてしょうがないんで基本袖ある服は腕まくりするんですよね、僕の場合。
これがジャケットなんて着た日にゃ仕事がしにくくてどうしょうもない、仕事のクオリティが下がるレベルです。色々考えて見ました。
アシスタントに仕事を任せるスタイリストと全施術を一人でする為動く量が違うから?
そんな事はない、カットするだけでも動きにくい。
ストレッチ素材か!ストレッチ素材のジャケットか!
いや、でもちょっと質感とかなんかダサくなっちゃうよぉ・・・
体型の問題?スラッとしてないし柔道をしてた為余計な筋肉が付きすぎたから?
そんな事はない!スタイルいい人もジャストサイズで着てるから関係ないはず(そう思いたい)
みんなこれを我慢しながらもかっこよく仕事している。
いやでもマジで体動かしにくい、ドMなの?仕事のしやすさ<ファッションなの?
3番目だったら何というか僕があわれな感じなんですけど
4番目だと、僕の中では仕事のしやすさ>ファッション何で永久にジャケットなんて着て仕事できないです。
そういえば美容師の道を選んだ時の動機は「スーツ着て仕事したくない」というのを思い出してジャケットの事は忘れる事にしました。
スタイリストになって早13年ですが未だにジャケットを着てかっこよく仕事をしたい自分を否定することができません。そしてこのジャケット問題を美容師業界3大ミステリーの一角として奉るとこにより、心の均衡を保つ訳でありました。
だから声を大にしてジャケットを颯爽と着こなしてスタイリッシュに仕事をこなす超絶イケメン美容師さんに聞いて見たいんですよね。
「動きにくくないんですか?かっこつけやがって!ふざけんな!」 と。
おっと・・・・ちょっと10割くらい妬みと嫉みが入ってしまいました。
今日も元気にTシャツで仕事をした美容師の独り言でした。Tシャツ最強説ありますね。